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商品帖:海を渡って
いろんな国に行って、いろんな人に会って、いろんなものを見てみたい。父の取った電話の向う側から知らない国の言葉を耳にして、そんな風に思ったのは小学生の頃。それを仕事の中でできたらいいなぁとぼんやり思い描いて大人になって、いろんな国の、いろんな手が、いろんなものを生み出す場に出向いて何かを見つけたり、作ってもらったりすることが仕事になった。

前の夜に大きなスーツケースをひっぱり出して旅支度をする。服は着慣れたものがいい。靴は掃き慣れたものがいい。嵩張らず、使い勝手よく、そしてどこか「いつもの」が感じられるものが手元にあるというのがいい。回を重ねる度に旅の定番ができていくのだけど、毎回忘れず欠かさず鞄に放り込んだのは小さなコインパース。

コインや、ピアス、常備薬、滞在先のカードキー、取引先の名刺、手掛けている商品のスワッチなど、普段の暮らしとは違う面々が一堂に会する必要があるのが旅の途中。折り畳まれた3つの空間に、その時々で必要なものを仕舞う。何度も一緒に海を渡って、いろんな風景の中で、唯一無二の風合いと存在に変わった。



ネパールのヒマラヤの村で作られている水牛の革、通称「ビレッジレザー」で作られたコインパース。昔ながらの方法で山の植物のタンニンで鞣します。温度を計ったりはしないし、材料も目分量だから毎回出来上がる革は表情が違います。色が濃かったり、薄かったり、柔らかかったり、固かったり、汚れがついていたり、傷があったり、全部違う顔。通常、日本という国でみかける革を基準とするならば全部なし!とはねられそう。でも、それを全部ひっくるめてやっぱりいいなぁと思う革なのです。自分で選んだたったひとつは、他の誰とも似ていない。そんなところも魅力なのでしょう。私はある時旅先で最初のひとつを失くして以来、次のひとつが選べずにもう何年も経っています。さて、そろそろ次に出会ってもいい頃かもしれません。



・ハーモニウムコインパース(brown / black) ¥1,800(+税) size : 約9 x 7 x 3cm